FXを始めたばかりの頃、「もう負け続けてるから、そろそろ勝てるはずだ」と思った経験はないだろうか?
この思考、実は心理学で「ギャンブラーの誤謬」と呼ばれるもので、知らず知らずのうちにトレード判断を狂わせる危険な落とし穴だ。
今回は、FXにおけるギャンブラーの誤謬の正体と、回避するための具体的な対策までを、わかりやすく解説していこう。
✅ギャンブラーの誤謬とは?簡単にいうと「そろそろ逆がくる」という思い込み
ギャンブラーの誤謬(Gambler’s Fallacy)とは、「過去に同じ結果が続いたから、そろそろ逆の結果が出るはずだ」という思い込みのこと。
例えば:
コイン投げで「表」が5連続で出た。次こそ「裏」が出るだろう。
パチンコで10回当たらなかった。次こそ当たるはず。
FXで3回連続で負けた。次こそ勝てるはず。
このように、「確率のバランスを取ろうとする」心理が働いて、根拠のない希望的観測で判断してしまうことがある。
しかし、コイン投げでもトレードでも、1回ごとの結果は独立した確率であり、過去の結果は未来に影響を与えない。
✅FXに潜むギャンブラーの罠:感情でエントリーしてしまう
FXにおいてこの誤謬が現れる瞬間は多い。たとえば:
「もう5回連続で下がってるから、そろそろ上がるだろう」
「3連敗したから次は勝てる気がする」
「さっき損切りしたから、取り返したい」
こうした心理でトレードすると、分析もロジックも吹き飛び、ギャンブルトレードになってしまう。
とくに初心者は、連敗による焦りや、「いつかは勝てるはず」という期待で、損失を取り戻そうとロットを上げたり、無計画なエントリーをしてしまう。
これが大きな損失や、口座資金を一気に失う原因になりかねない。
✅なぜギャンブラーの誤謬は起きるのか?
人間の脳は、「偏り」を嫌う傾向がある。連続した同じ結果を見ると「不自然だ」と感じ、バランスをとろうとする心理が働く。
さらに、過去に似たような場面でうまくいった成功体験があると、同じパターンで「今度も勝てるはず」と錯覚してしまう。
つまり、経験と直感だけに頼った判断は、ギャンブラーの誤謬に陥りやすいのだ。
✅ギャンブラーの誤謬から抜け出すために必要な3つの考え方
① データとロジックで判断する
「今どうなっているか」ではなく、「根拠があるかどうか」が重要。
チャートのパターン、トレンドライン、価格帯など、テクニカル分析に基づいた判断を最優先にしよう。
② 統計的な視点を持つ
たとえば勝率が60%の手法でも、連敗は起こりうる。
10回連続で負ける可能性もゼロではない。
この「確率のゆらぎ」を受け入れ、感情を抑える訓練が必要だ。
③ トレードルールを徹底する
エントリーやロット管理、損切りのルールを明文化し、それを絶対に守ること。
感情で判断せず、「条件が揃ったときだけやる」というスタイルを貫くことが、誤謬を回避する最も効果的な方法だ。
✅私の体験談:感情でロットを上げて爆損した日
かつて、3回連続で損切りになった日の夜、私は「もう負けすぎたから、そろそろ勝てるだろう」と思って、大きなロットでトレードした。
結果は…さらに大きな損失。
冷静さを失っていた私は、完全にギャンブラーの誤謬に陥っていた。
この経験をきっかけに、私は「連敗は仕方ない。勝率とリスクリワードでカバーする」という思考に切り替えた。
それからは、感情に流されることも少なくなり、安定してトレードできるようになった。
✅まとめ|ギャンブラーの誤謬を理解して、勝てるマインドを育てよう
ギャンブラーの誤謬は、誰もが無意識に陥る心理的な落とし穴。
これを理解し、確率・データ・ルールをベースにトレードすることが、FXで長く勝ち続ける秘訣だ。
「もう負けすぎたから次は勝てるだろう」ではなく、
「このエントリーには明確な優位性があるか?」を問い直すことが重要だ。
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