「なぜ人は損切りができないのか?」
FXを始めたばかりのころ、「含み損を見て見ぬふりしてしまう」「利益はすぐ確定するのに、損失はズルズル放置してしまう」そんな経験はありませんか?
実はそれ、人間の心理に深く根ざした「プロスペクト理論」が関係しているのです。この記事では、FXにおけるプロスペクト理論の具体例や、それをどう克服すべきかをわかりやすく解説します。
✅ プロスペクト理論とは?
プロスペクト理論(Prospect Theory)とは、ノーベル経済学賞を受賞したダニエル・カーネマンらが提唱した「人は損失を過大に恐れ、利益を過小に評価する」という心理傾向の理論です。
たとえば以下のような選択肢を提示されたとき、多くの人が非合理な行動をとることがわかっています:
📌 例題:
A:確実に1万円もらえる
B:50%の確率で2万円、50%で0円
多くの人がAを選びます(利益は「確実に欲しい」)
C:確実に1万円失う
D:50%の確率で2万円失う、50%で損しない
このとき、多くの人はDを選びます(損失は「避けたい」)
→ つまり人は「利益は堅実に」「損失はギャンブル的に」選んでしまうのです。
✅ 損失の痛みは、利益の喜びの約2倍
人は同じ金額でも、
「得をする喜び」よりも「損をする苦しみ」を強く感じる傾向がある。
たとえば…
1万円を得た時の嬉しさより
1万円を失った時のショックの方が
心理的に 約2倍強く感じる と言われている。
これは人間の本能的なもの。生存のために「損を回避する力」が強化されてきたからだと考えられている。

✅ FXにおけるプロスペクト理論の具体例
✅ 含み益:すぐ利確してしまう
→「せっかくの利益が減るのは嫌だ!」と感じ、目標の半分でも早く利確してしまう。
✅ 含み損:損切りできない
→「戻ってくるかも」「損失を確定させたくない」という感情から損失を放置する。
このような行動は、トレーダーにとって長期的に大きな損失につながります。
✅ 克服方法:どうやって心理を乗り越えるか?
✅ ① トレードルールを事前に決める
「●pipsで損切り、●pipsで利確」と決めたら、必ず守る。裁量で判断しないこと。
✅ ② 利益と損失をセットで見る
損切りは「負け」ではなく「資金を守る手段」。それにより次の勝負資金が確保される。
✅ ③ トレード日記を書く
なぜエントリーし、なぜ利確や損切りをしたかを記録することで、自分の感情を客観視できる。
✅ ④ ロットを小さくする
リスクが大きすぎると損失に対して過剰に反応してしまう。まずは小さな金額で実践する。
✅ まとめ
プロスペクト理論は、FXトレードにおける「損切りできない」「利確が早すぎる」といった心理の正体を説明する理論。
人は合理的な判断ができない生き物。だからこそルールと仕組みで自分を守る必要がある。
トレーダーとして成長するためには、「感情」をコントロールすることが何より大切。
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