フラクタル構造とは?|チャートに隠された“繰り返し”のルール
フラクタル構造とは、「大きな構造の中に小さな同じ構造が繰り返されている状態」を指します。
フラクタル構造をイメージするのにわかりやすいたとえが「木を見て森を見ず」ということわざも、フラクタル構造に通じるものがあります。
つまり、小さな時間足の動き(=木)ばかり見ていて、全体の流れ(=森)を見失っては、トレードの本質を見誤ってしまうのです。
FXなどの金融市場も同じで、日足チャートの中に4時間足の動きがあり、さらに1時間足にも似た波が存在する、というように、相場には自己相似性があるとされます。
この「繰り返しのパターン」を意識することで、相場の全体像を多角的に把握しやすくなります。

FXにおけるフラクタル構造の具体例
たとえば、日足チャートで上昇トレンドが発生していたとします。
🔽その場合:
日足:推進波(第3波)
4時間足:推進波を構成するさらに小さな5波
1時間足:4時間足の1つ1つの波に細かいジグザグの動き
つまり、大きなトレンドの中にも、小さなトレンドや調整が連続して現れます。
これがマルチタイムフレーム分析(MTF分析)の基本的な考え方になります。
フラクタル構造がわかると何が変わるのか?
✅ トレードの精度が上がる
エントリーの根拠が増える
→ 上位足のトレンドと下位足の反発が合致していると、勝率アップ
利確・損切りが明確になる
→ 下位足の波動が終わるタイミングで利確できる
✅ 焦ってエントリーしなくなる
大きな波がまだ途中だとわかることで、“待つ”ことができるようになる
エリオット波動 × フラクタル構造
エリオット波動理論も、このフラクタル構造を前提に構成されています。
例えば:
日足の第3波 → 4時間足で見ると「5波動構成」になっている
1時間足のC波 → 15分足で見ると、小さな5波動になっている
このように、時間軸を変えても同じような波の形が繰り返されるのが特徴です。
フラクタル構造とダウ理論との関係
ダウ理論では、トレンドの継続・転換の定義が重要ですが、
この判断も時間足によって見え方が変わることがあります。
日足では上昇トレンド
4時間足では調整(レンジ)
1時間足では下降トレンド
このズレは、フラクタル構造を理解していないと混乱のもとになります。
上位足を基準にして下位足のトレンドを読み解くことで、ダウ理論の判断精度も上がります。
フラクタル構造を視覚化する方法
初心者におすすめなのが、ZigZagインジケーターやフラクタル系インジケーターの活用です。
※ただし、自動判定は100%正確ではないため、自分でも波の数え方を学ぶのがベストです。
フラクタル構造を使った実践的な分析手順
ステップ1:上位足でトレンドを確認
例:日足で上昇トレンド → 買い目線
ステップ2:中位足で波の途中を特定
例:4時間足で押し目が来ている → 第2波と判断
ステップ3:下位足でエントリータイミングを探す
例:1時間足でダブルボトムや小さな第1波確認 → ロングエントリー
このように、フラクタル構造を軸にした階層的な判断ができるようになります。
まとめ|フラクタル構造で相場の本質を読み解こう
相場は「同じような波の繰り返し」でできている
時間足ごとに波のサイズが違うが、パターンは似ている
上位足→下位足の順で見ることで、トレードの精度がアップ
エリオット波動やダウ理論もこの考えに基づいている
フラクタル構造を理解することは、
「チャートの読み方を根本から変える」ことにつながります。
波を読み、相場の流れを掴む力を身につけましょう!
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